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相続手続き

相続の税理士費用は誰が負担するべき?相続税申告を依頼する際の要点を解説

相続の税理士費用は誰が負担するべき?相続税申告を依頼する際の要点を解説

相続税申告では、専門的な知識を要する作業が多く「税理士の力を借りたい」と考える方がたくさんいます。その際に気になるのが、税理士へ依頼した場合に支払う費用です。あまりに高額だと申告手続きは自分で済ませようと考えてしまいがちですが、適正価格で親身に寄り添ってくれる税理士を選ぶことができれば、メリットはたくさんあります。

まずは、相続税の申告手続きの流れを把握し、税理士に依頼するかどうかを検討しましょう。信頼できる税理士を選ぶためのポイントさえ押さえられれば、相続税を多く払い過ぎてしまう心配もありません。

相続税申告の基礎知識

相続税申告は相続を受けた全ての人が納税しなければいけないというわけではありません。最初に相続税申告の全体像を知り、ご自身に最適な対応を考えていきましょう。

相続税の納付義務者は「基礎控除額を超える遺産を受け取った相続人」

相続税申告は、遺産総額が基礎控除額を超えた場合に必要となる手続きです。ここで言う「基礎控除額」とは、被相続人の遺産総額から一定額を差し引くことができる金額のこと。相続税の基礎控除額は、「相続税申告が必要か不要かを見極める基準」とも言えるでしょう。

相続税の基礎控除額は一律ではなく、以下の計算式によって算出されます。

【相続税の基礎控除額】=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

遺産総額が基礎控除額を下回った場合でも、配偶者の税額軽減、小規模宅地の特例、寄付金控除などを適用している場合は相続税申告を行う必要があります。
※基礎控除の仕組みや計算式については、こちらのコラムでも詳しく解説しています。

相続税申告の流れ

相続税の申告は、相続税法で「10カ月以内」と期限が決められています。相続発生から相続税の申告・納付までの一般的な流れについてご紹介します。

【相続税申告までの流れ】

1 期限:3カ月以内 被相続人の死亡(相続開始)、遺言書の有無を確認
2 遺産や債務の調査
3 相続人の確定(単純承認・相続放棄・限定承認の選択)
4 期限:4カ月以内 被相続人の所得税の準確定申告
5 期限:10カ月以内 相続財産・債務の確定
6 相続財産の分割割合を協議し、遺産分割協議書を作成
7 遺産分割手続きを行う
8 相続税額の計算と相続税の申告・納付

【3カ月以内が期限】相続の放棄または限定承認

相続の発生により財産を引き継ぐことになったら、まずは「相続するか」「放棄するか」「限定承認をするか」を決めなければいけません。被相続人の全ての権利や義務を引き継ぐ場合は「単純承認」となります。ただし、借金などの負債額が大きい場合は、相続財産となる資産や負債などの権利を一切引き継がない「相続放棄」を検討することも可能です。

また、亡くなった方の債務がどのくらいあるのか分からない場合は、相続で得られる財産を限度として債務を引き継ぐ「限定承認」を選択できます。相続放棄や限定承認を選択したい場合は、家庭裁判所へ申し立てをしなければいけません。申し立てをしないまま3カ月を超えてしまった場合、原則として単純承認とみなされます。

【4カ月以内が期限】被相続人の所得税の準確定申告

被相続人が1月1日から死亡した日までに所得を得ていた場合、もしくは、給与・退職金以外の副業で20万円超の所得がある場合や、公的年金合計額が400万円超の場合など、さまざまなケースで準確定申告(納税者が死亡したときの確定申告)が必要となる可能性があります。申告期限が長くないため、早めの動き出しが肝心です。

【10カ月以内が期限】相続税の申告・納付

相続税の申告が期限内に間に合わなかった場合、ペナルティーとして税金が発生します。相続財産を隠していた場合には無申告加算税ではなく、加算税の中でも最も重い重加算税の支払いが必要になってしまうため気を付けましょう。

相続税申告に必要な書類

相続税申告では、被相続人との関係を明らかにするために申告を行う全ての相続人が提出しなければいけない本人確認書類、手続きで必要となる添付書類があります。

【相続人の本人確認書類】

①番号確認書類

マイナンバーカード、通知カード、住民票の写し(マイナンバーの記載があるもの)など

②身元確認書類

マイナンバーカード、運転免許証 、身体障害者手帳、パスポート、在留カード、公的医療保険の被保険者証 など

【相続税申告で必要となる添付書類】

相続人関係の必要書類

・被相続人の戸籍謄本と改製原戸籍 ※

・被相続人の住民票の除票もしくは戸籍の附票 ※

・相続人全員の戸籍謄本 ※

・相続人全員の住民票 ※

・法定相続情報一覧登録図(法定相続一覧登録図があれば※の書類は不要)

遺産分割関係の必要書類

・遺言書

・遺産分割協議書

・印鑑登録証明書

・特別代理人選任の審判の証明書

・相続放棄受理証明書

・申告後3年以内の分割見込書

土地・建物関係の必要書類

・登記簿謄本

・固定資産評価証明書

・名寄帳(固定資産課税台帳)

・公図または地積測量図

・住宅地図

・賃貸借契約書

・路線価図または倍率表

※登記簿謄本、固定資産評価証明書は課税明細書でも可

現金・預貯金関係の必要書類

・残高証明書

・既経過利息計算書

・通帳の写しまたは預金取引履歴

・手元にある現金

有価証券がある場合の必要書類

・取引残高報告書

・配当金支払通知書

・決算書(非上場株式)取得場所/手数料/取得日数

生命保険金(死亡保険金)・退職金関係の必要書類

・死亡保険金支払通知書

・生命保険証書

・解約返戻金が分かる資料

・退職手当支払計算書

債務関係の必要書類

・借入残高証明書

・金銭消費貸借契約書

・未納の租税公課の領収書

・未払い金の領収書

その他の必要書類

・準確定申告書(控)

・贈与税申告書(控)

・過去10年以内に相続があった場合の相続税申告書(控)

・高齢者施設等の入居関係資料

・高齢者施設等の入居関係資料

・ゴルフやリゾートの会員権

・貸付金、預け金、立替金の書類

・骨董品や貴金属等

※状況に応じて、この他にも必要書類が発生します

相続税申告で税理士に支払う費用は控除されない

相続税申告では必要書類を集めることだけでも大変ですが、この他に申告書の作成という大仕事が待ち受けています。税理士に相続税申告を依頼しようか悩んだ方からは、「税理士費用を相続財産から経費として控除できないだろうか」というご質問をいただく機会もありますが、答えはNOです。債務控除として相続財産からマイナスできる支出は、被相続人が残した債務や葬儀費用となります。

相続税の計算上、債務控除及び相続財産の評価額から相続税を下げられるものは相続税法で定められており、税理士費用はその中に含まれていないのです。

税理士費用は誰が支払ってもいいけれど「配偶者が支払う」のがベスト

前述したように、相続税申告時の税理士費用は控除の対象にならないこと、配偶者は法定相続分によって最も多く遺産をもらえること、配偶者の税額軽減が適用されることを踏まえ、税理士費用は配偶者がまとめて支払うケースが多くなっています。

しかし、相続人が複数人いる場合、相続時の税理士費用は誰が負担しても問題ありません。思うように話がまとまらない場合は、負担する人や割合を遺産分割協議の中で決定します。

相続税申告を税理士に依頼すると決めたら知っておきたいポイント

相続税申告は、難解な作業を伴うことから税金のプロフェッショナルである税理士に依頼するという方がほとんどです。ここでは、税理士へ依頼することを決めたら知っておきたい、費用相場、税理士報酬以外にかかる費用、税理士に依頼することで得られるメリットについてご紹介します。

相続税申告を税理士に依頼した場合の費用相場

相続税申告を税理士に依頼する場合、支払わなければいけない「基本報酬」は、相続する遺産総額の0.5%〜1.5%が相場です。例えば、遺産が5,000万円だった場合、税理士費用は15万円〜45万円ほどが目安となります。ただし、申告作業に使える時間が短時間であったり、必要書類が予想以上に多かったりするなど、作業内容があまりにも複雑である場合は「加算報酬」が追加される場合もあります。

「新潟相続のとびら」でも、これまでに相続税申告のさまざまなケースに対応してきました。その一部を、費用相場の一例としてご紹介します。

【CASE 1】基礎控除の範囲を超えるため相続税の申告が必要なケース

相続財産

7,000万円

内訳

預貯金 3,000万円、不動産(土地・建物)2,000万円、終身保険2,000万

相続人

3名(妻、子2名)

こちらは基礎控除の範囲を超えるため、相続税の申告が必要なケースですが、「配偶者の税額の軽減」や「小規模宅地等の特例」といった制度の対象となるため、相続税はかかりませんでした。不動産は妻、預金は法定相続分とシンプルな遺産分割で、戸籍の収集や遺産整理は相続人が対応してくださったため、その分の費用を抑えることができました。

対応内容

税理士業務(相続税申告手続き含む)、行政書士業務(遺産分割協議書の作成費含む)

料金

38万5,000円

※相続登記に関しては司法書士が別途請求

 

【CASE 2】基礎控除の範囲内のため相続税の申告が不要なケース

相続財産

3,000万円

内訳

預貯金 1,000万円、不動産(土地・建物)2,000万円

相続人

3名(妻、子2名)

財産評価額は3,000万円と相続税の基礎控除額を下回ったため、相続税はかかりませんでした。行政書士が相談者の窓口となって紹介した司法書士が不動産の名義変更を、行政書士が預貯金の相続手続きを行いました。

対応内容

戸籍の収集、遺産分割協議書の作成、預貯金の手続き、不動産の名義変更

料金

16万5,000円

※戸籍や住民票等の証明書に関する実費は含まれていません。
※別途、不動産の登録免許税がかかります

「新潟相続のとびら」でこれまで扱ってきた案件における費用の例は、こちらからご覧いただけます。

税理士報酬以外にかかる費用の一例

相続税申告を依頼する際、税理士の報酬以外にも発生する可能性がある費用があります。

1.弁護士報酬

相続時に遺言書がなく、相続人同士の遺産分割方法を話し合いで決めないといけない場合、トラブルに発展する可能性があります。そのような場面を解決してくれるのが弁護士の役目です。話し合いで決着がつかない場合は弁護士に依頼することも検討しましょう。

2.測量費用

相続財産の中に不動産があった場合、土地の測量費用が発生します。専門的な作業は、測量士や土地家屋調査士に依頼する必要があります。

3.遺産分割協議書作成費用

相続人全員で話し合って遺産の分割方法などを決める遺産分割協議では、法的に効力のある文書(遺産分割協議書)を作るために専門家に依頼しなければいけません。相続税申告と遺産分割協議書作成は税理士、遺産分割協議書の作成のみの場合は行政書士というように、目的に合わせて依頼先が異なります。

4.登記費用

土地や家などの不動産の名義変更をする場合は、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士にかかる費用は、不動産を取得した人が支払うケースが多くなっています。

相続税申告を税理士に依頼するメリット

相続税申告を税理士に依頼することで、申告手続きの手間が省けるのはもちろん、土地・財産の評価や相続税の計算・申告書の作成も正確に行うことができ、相続税の払い過ぎを防ぐことができます。

相続税申告は自分で行うこともできますが、失敗のリスクを考えると税理士に依頼した方がメリットを多く感じられそうです。

相続税申告は信頼できる税理士選びから

相続税をしっかり理解できていないまま税理士に依頼してしまうと、気付かぬうちに不当な報酬を要求されてしまう危険もあります。適正な報酬額で申告してくれる税理士を見極めるためには、事前に税理士事務所の情報をリサーチし、どれだけの実績があるか、報酬額の規定を明確に公開しているかを見比べることが大切です。

極端に報酬が安すぎていたり、基本報酬や加算報酬以外に成功報酬制をとっていたりする場合は注意しましょう。いくつかの税理士事務所から候補をピックアップして、相見積もりを取り寄せるのも有効です。

相続税の申告は頼りになる税理士に任せよう!

相続税の申告には、法律で10カ月以内という期限が定められています。限られた期限で正確に手続きを進めるためにも、頼れる税理士を探しましょう。

税理士に作業を依頼した場合、その費用は配偶者が支払うべきだと考えられています。相続人同士で後々トラブルを引き起こさないためにも、実績がある優秀な税理士に依頼することで節税対策にもつながります。

新潟相続のとびらでは、新潟で暮らす皆さまの相続のお悩みに寄り添い、未来のとびらを開く選択肢を相続の専門家として幅広くご提案させていただきます。

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