税理士の現場ブログ
確定申告雑感(改正編)

相続した空き家を譲渡したAさん。税法改正を聞かされ驚く。
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飛び込みの相談者A
譲渡所得の申告をどこの税理士にお願いしようか?
迷われている方は多いと思います。
亡き父の空き家を相続したAさん。昨年秋、不動産業者に買い取ってもらうことになりました。建物を自分で取り壊せば税金上の何かの特典があることは不動産業者から聞いていました。でも自分では取り壊しはできない。
この特典とは、一定の条件下、相続した空き家を自らが取り壊して、更地で譲渡したら譲渡所得の特例(3000万円控除)が受けられます。
譲渡代金は800万円。
Aさんは、税金と後期高齢健康保険料UPを覚悟していました。
当事務所に、今月不動産業者を通じてAさんより依頼がありました。
私がAさんに電話したのは1月末。「令和6年分から、空き家特例(3000万円特別控除)の条件が変わりました。建物の取り壊しを買主が行ってもよくなりました。建物はすでに取り壊されていますか?」
Aさん「分かりません。足(車)がないので確認できません。」
私は、ダメもとで現場に向かったところ、解体業者の車があり、すでに建物解体済み。現場写真があっても特例は受けることができません。市町村役場に空き家だったことの証明書が必要。取り壊しが翌年となった空き家の証明をもらうのには時間との勝負になります。
電気・ガス・水道のいずれかから閉栓・契約廃止日で空き家確認できるよう、供給業者から証明をもらう。(これは簡単。)
難問は、取り壊しを確認できる書類(家屋の閉鎖事項証明書)を市町村役場に提出。解体業者工事写真では受け付けてもらえない。そこで買取業者に事情を説明、大至急の対応を私からお願いしました。
他にも必要書類(相続人住民票や被相続人住民票除票)をこちらで収集する必要があります。
他の相談案件もこなしながら、私は最終的Aさんが喜ぶ顔を思い浮かべながらこれに対応します。
【Aさんから一言】
税理士に、もっと前から相談すればよかった。
結果はどうあれ、先生に私の手足となって動いていただき感謝しております。