COLUMN

税理士の現場ブログ

個人相続相談は奥深い(遺言編)平等遺言の落とし穴~生命保険の非課税枠のしくみ~

夫婦とも十分な預貯金があるAさん夫婦(子供2人と同居していない)の相談例です。年上の夫Aの気がかりな点がありました。
① 自分が先に亡くなった時に、夫名義住まいに妻が住み続ける策。
② 妻が亡くなった後の、この住まいをどうするか?
夫Aの考えた答えは、妻に終身保険を1000万円掛けさせ、受取人を次男にする。長男には、夫婦の不動産を相続させる。他は均等相続。
回答&質問(私)
とても良く考えられております。いくつか質問をさせてください。
① A夫婦が配偶者を受け取りとした生命保険はありませんか?
② Aさん夫婦の預貯金はいくらですか?
③ 不動産の固定資産税通知はありますか?
答(A夫)
・生命保険を1000万円ずつ加入(受取人は配偶者)。
・預貯金は、夫婦とも6000万円ずつ。
・不動産の固定資産税通知書から、相続税評価は1000万円。

問(私)保険金の受取人は今のままにしますか?
・保険金非課税枠1500万円。(法定相続人3人×500万円=1500万円)、夫が先に死亡のケースでは生命保険に相続税はかかりません。
ただ、妻は1000万円の財産として残るなら、逆効果?
お互いの生命保険金の死亡受取人を子(長男・次男・受取割合50%ずつ)とすれば、一次相続で子が受けとることで、二次相続対策となります。
答(A夫)
「そうですね。夫婦のどちらの保険も子供たち50%ずつに変更します。」
答(私)ちょっと待ってください。
二次相続(妻)が発生時の生命保険金の非課税枠1000万円ですが、長男・次男とも非課税枠500万円となりません。保険金割合で配分です。

  非課税枠① 受取保険金② 全体保険金③ ①×②÷③
長男 1,000万円 500万円 2,000万円 250万円
次男 1,000万円 1,500万円 2,000万円 750万円

生命保険金の非課税枠は長男250万円・次男750万円となります。
平等相続を優先させるなら、妻の生命保険は2本とも50%ずつ受け取るとし、1000万円を預金で調整する遺言案もあります。

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